
先日、知り合いの飲食店経営者の方から連絡があり、「店舗のエアコンが動かないから見て欲しい。」との事だったので行ってきました。
また、最初の電話でのやり取りの中で「ブレーカーは落ちていない様だけど、エアコンが動かない…。」とも言われていたので、色々とイメージを膨らませて現場に伺ったのですが、

現場に到着し、先方の言っているブレーカーを見た瞬間に8割方原因が分かりました。
上の写真のブレーカーがそうなのですが、漏電遮断器(漏電ブレーカー)がトリップ状態になっていた為です。
確かにこの状態では、電気工事の知識の無い方が見るとブレーカーが落ちていないのに電気がきていない…と言う事になると思います。
ブレーカーには配線ブレーカー(よく家庭内で電気の使い過ぎにより落ちるもの)や、アンペアブレーカー(電力会社との契約に伴い取り付けるもの)の様に、単純にONーOFFの状態のものと、今回の漏電ブレーカーの様にONートリップ(中間)-OFFと3段階の状態があるものが存在します。
そして、このトリップ状態の解除方法は、漏電ブレーカーのレバーを一旦OFFの状態(下げて)にしてからONにする(上げる)、と言う事になります。

そして、これは後日になるのですが、結果的に漏電遮断器の交換を行いました。
数日間は何事も無く営業していたが、また突然同じ状態になった為依頼を受けました。
上の写真が新旧のブレーカーの比較ですね。現行品はかなりコンパクトになりました。
また、漏電遮断器が落ちる(トリップする)原因を以下にまとめました。
○ 過電流
機器の使い過ぎ等で、許容範囲を超える電流が流れるのを防ぐ。一般家庭や店舗などでも最も多い原因。
○ 過電圧
一般家庭や店舗などでは100ボルトの電圧を使う事が多いが、比較的近い場所で落雷が発生すると、電柱を通じ瞬間的に100ボルト以上の過電圧がかかる事があるので、その場合にも保護が働く。
○ 漏電
各電気回路のどこかで漏電が発生した場合にも落ちる。一般的には自然災害による浸水時に多い。
○ 経年劣化
一般的に漏電遮断器の耐用年数は10~15年。上記に該当せず頻繁に漏電遮断器が落ちる様であれば可能性が高い。

交換工事、完了です。
因みに、漏電遮断器にはテストボタンと書かれた丸いボタンが必ずあり動作確認が行えるので、数年に一度(出来れば定期的に)押して動作確認する事をお勧めします。
やはり経年劣化により、漏電を感知する機能を失ったままの状態で設置されていた、と言う現場を経験しているので尚更です。


突然の停電は、何歳になってもドキッとするね。
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